移植株を採取した場所から髪が生えて来ないのは本当です。

また、採取した場所もおかしく見えることは普通ありません。

まず、移植用の株を採取した場所は、ご指摘の通り、髪は生えてきません。単純に毛髪を引き抜いているなら、また生えてきますが、移植用の株の採取とは、その場所の髪を生やす皮膚の細胞を採取し、それを増やしたい場所へ皮膚の細胞ごと移植する手術です。そのため、移植した場所からは、髪が抜けても他の場所と同じように生え変わります。

また、採取した場所に髪が生えて来ないため、違和感のある見た目にならないかというご心配ですが、その心配はありません。
通常、10万本～15万本の頭髪が生えていると言われています。一つの毛穴からだいたい2本～3本生えているので、平均2.5本とすれば、40,000株～60,000株が頭皮に存在します。
それが、頭頂部、側頭部、後頭部に生えていて、移植株は、側頭部や後頭部から採取しますので、仮に２/３～３/４が側頭部・後頭部に生えているとすれば、26,000株～45,000株が最大で採取できることになります。

例えば、2,000株の手術であったとしても、多くても全体の１/１０以下になります。ですから、よほど集中して狭いエリアから、移植株を採取しない限り、薄くなってしまうことはありません。また、医師は採取エリアが一カ所に片寄らいで、全体的になるよう配慮します。
ちなみに採取可能数は、個人差がありますが、経験的には最大で6,000株～8,000株、1日で手術時間を考慮すると3,000株の移植は可能です。

また、専門医は、手術をした後も経過を何回か観察するので、移植毛を採取した場所を採取した前提でチェックします。当然、採取した場所が分かるのですが、採取した時の傷が治ってしまえば、一般の方が先入観なしに見ても普通は分からないと思います。さらに、スキンヘッドにでもしない限り、頭皮をまじまじと見られるようなケースも想定し辛いはずです。
以上の理由から、採取した場所がおかしく見えることは、普通はありません。