自毛植毛以外の植毛手術はあるの?
「人工毛植毛」の危険性
人工毛植毛の更なるリスク
「人工毛植毛」の危険性
そもそも植毛手術には、「人工毛植毛」と「自毛植毛」の2つの手術がありました。
現在は、植毛手術はほとんど「自毛植毛」手術が行われていますが、以前は「人工毛植毛」も行われていました。何故、そのような状況になったかといえば、「人工毛植毛」は、危険な手術だからです。
「人工毛植毛」とは、その名の通り、合成繊維など人工物で作った偽の毛髪を頭皮に埋め込むものです。以前は、植毛と言えば、この方法が知られていて、1980年代まではアメリカで盛んに行われていました。しかし、行われることで次のリスクが顕在化しました。
まず、第一のリスクは、体内の免疫システムによる拒絶反応です。植え付けられた人工毛を異物ととらえ、排除しようとするため、早いもので2~3週間、1年もたつと植え付けた人工毛の6~7割が抜けてしまいます。
第二のリスクは、細菌感染の問題です。人工毛は、抜けづらくするため、毛根より深い部分に植え付けられます。そのため、根本的に通常の毛根より汚れが取り除かれづらい状態にあります。また、本来髪の毛は、成長と共に押し出されるため、一緒に汚れが取り除かれますが、人工毛は、成長しないので、汚れが押し出されることがありません。そのため、そこに細菌が感染・繁殖し、慢性的な炎症を起こしてしまうというわけです。
人工毛植毛の更なるリスク
拒絶反応や感染が起こると頭皮は化膿したり、炎症を起こしたりします。そうすると頭皮は、繊維化して硬くなり、血行の悪い状態になります。こうなると健康な自分の髪の毛にもダメージを与えてしまいます。髪の悩みを解決するための手術で、健康な髪にダメージを与えてしまうのは、本末転倒です。
さらに人工毛植毛手術を行うと異物性肉芽種という瘢痕が出来てしまう場合もあります。
こうした事例から、アメリカでは、人工毛手術は禁止されています。しかし、日本では法律で禁止されていないため、仮に人工毛植毛手術を行ったとしても罰せられることはありません。ただ、もし医師から人工毛植毛手術を勧められるようなら、別の専門医の意見も聞いてみる必要があると思います。私は、人工毛手術をすすめることはありません。